我々『こめペディア』編集部は、皆さんと一緒に“お米の謎”を解き明かします。
例えば、発芽玄米は通常の玄米と何が異なるのか。
いや、その前に玄米と白米はどうちがうのか。
その前に、玄米をどのようにして白米にしているのか。
さらにさかのぼって、お米づくりには88もの手間がかかると言いますが、
それはどんな手間なのか――。
我々は、まだまだ“こめ”を知らないのだと感じます。
少し遠回りをお許し下さい。
カレーの語源は、タミール語の『カリ』だという説が有力です。ところが現地では、野菜も肉もスープもすべてが『カリ』と呼ばれます。
ズレはどこで起きたのか? 識者によれば、欧州の人間がインドへ渡った当時はまともな通訳がいなかったから、異邦人が現地人の食事を見て「それなに?」、「カリ」といったズレた会話をし、以降、世界ではあのスパイシーなスープがカリと呼ばれるようになったのでは、とのことでした。
そして、この言語学上のズレは、日本語にもあるのです。
日本人は、食事全般を指し『ごはん』と言います。また、お茶碗や皿に盛られたお米を指しても『ごはん』と言います。
日本人にとっては古来より『食事』と言えば『お米』だったのです。
ただし、都会で生まれ育つと、どうしてもお米について知る機会は少なくなります。例えば、お米粒を撒いておけば稲が生えてきそうなものですが、なぜ日本では『田植え』をするのでしょうか?
宮沢賢治は名詩「雨ニモ負ケズ」の一節で「一日ニ玄米四合ト味噌ト少シノ野菜ヲタベ」とうたっています。1日4合って相当多い気がしますが、詩の文脈上、大食漢というわけでもなさそうです。当時の食生活はどんなものだったのでしょうか。
世の中には『無洗米』がありますが、なぜ洗わなくていいのでしょうか。また、無洗米を炊く時、少し水がにごりますが、あれは洗いきった方がよいのでしょうか?
さらに、農業は大きな問題も抱えています。日本の仕事として農業に従事している方たちの平均年齢は、農水省の発表によれば平均年齢66.8歳。耕作放棄地や荒廃農地は増える一方です。
参考:農林水産省資料
これらお米の現状を取材し、広く皆様に伝えるため、我々は『こめペディア』を創刊しました。
通常のメディアと異なり、週に1~2本の更新と記事数は多くありません。
ただし、誠実に取材を重ね、皆様の好奇心を刺激する記事を掲載します。
ぜひ“お米の本当の姿”を知る旅にお付き合い下さい。
<「こめペディア」編集長・夏目幸明>
取材で訪れた富山県白山市で自分と同じ名前のバス停を見つけて。