【特別寄稿】その20―コメは産地と品種で選ぶべきだとの誤解



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一般的に消費者がコメを購入する際、コメの産地と品種で選んでいるようであるが、とんでもない誤りである。そのようにして選ぶのは美味しいコメを得るためらしいが、私は不思議でしようがない。何故ならば① コメを選ぶのに美味しさよりもっと大切なもの、即ち自分や家族が最も健康に過ごせるコメであって、しかも家族が喜ぶ美味しいコメを選ぶべきだから、それには産地と品種で選べるものでは無いのと、② 同じ県の同じ地域の産地であって、しかも同じ品種のコメであっても、隣の田圃だと言うだけで美味しさが異なるのに、○○県産の○○品種と言う極めて杜撰な選択をしていることはある意味で滑稽と言わざるを得ない。

要は今は忘れ去られているが、コメは昔『コウベイ』と言う名の生薬(上級な漢方薬)であって、その効能は『滋養強壮』となっていて、栄養がとっても豊富で、それを常食することで元気溌剌となるとの効能であるから、大切な食材であり、また薬でもあり、正に『医食同源』の、人間にとっては、とっても有り難い食べ物だったのである。

米は生薬だった(写真はイメージです)

ちなみに西洋医学は、食べ物と薬は完全に別個のものであり、薬には何らかの副作用があるから、病が治癒したら直ちに服用を止めることが大切であるが、東洋医学の薬は、その逆で食べ物と薬は同じとし、特に上級の生薬は、常食することにより、あらゆる病を予防してくれるものである。我々が日常的に食べているレンコン、ゴボウ、にんじん、などは全て昔からの生薬であるが、その筆頭がコメなのである。

従って、コメを選ぶならば美味しさもさる事ながら、何よりも健康に良いのはどれか、で選ぶことである。

「目からウロコ『コメ』ってこんなに誤解されていたんだ!」――その21に続きます

<文>

東洋ライス株式会社 代表取締役社長

東京農業大学客員教授

雜賀慶二さん