ジャポニカ米、インディカ米の特徴・歴史、大研究! ——お米はどこからやってきた?インディカ米のおいしい食べ方は?

タイ料理やシンガポールライスなど本格的な専門店も増えて、日本のアジアンフード人気はすっかり定着。そこで使われているのが、いつものお米より細長い外国種のインディカ米です。日本で主流のお米とは品種が違い、その独特の味わいにはまってしまった人も少なくありません。今回は、個性豊かで魅力的なインディカ米について、その特徴からおいしい炊き方まで調べてみました。


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そもそもお米は何種類あるの?

お米は世界中でさまざまな品種が作られていますが、大きく分けるとジャポニカ米とインディカ米の2種類に分けられます。お米栽培の起源はインドとも中国とも言われます。1万年前~7000年前に水辺に生えた野生の稲の種をとって、もっと増やそうとまいたことが稲作のはじまりとされますが、さらに詳しいことはまだ調査研究の段階で分からないことも多いとか。日本列島には熱帯性植物である稲は自生していなかったため、縄文時代後期に中国から稲作文化が伝わって稲が持ち込まれたことは確かなようです。研究者が分からないくらいの大昔から、人類はお米を大切にしてきたのですね。

ジャポニカ米は私達日本人におなじみの品種で、日本をはじめ朝鮮半島や中国東北部、ヨーロッパなどで栽培されています。見た目がずんぐりと円形に近く、短粒米とも呼ばれています。炊くと粘りとツヤがでるのも特徴です。
インディカ米は、タイ・ベトナム・インド・マレーシア・バングラデシュ・フィリピン・中国の中南部などジャポニカ米よりも気温が高い地域で栽培されています。すらっと細長い形で、長粒米とも呼ばれます。粘り気が少なくパラパラとしており、さっぱりとした口当たり。香り米ともいわれるジャスミン米をはじめ香りがあるのも特徴です。
日本では主流のジャポニカ米ですが世界的には少数派で、生産量でみるとインディカ米が80%、ジャポニカ米が20%と圧倒的にインディカ米の方が多いのです。インディカ米を栽培する国が世界中にあることから、気候や食文化にあわせて料理方法もバラエティ豊かに発展しました。
補足になりますが、ジャポニカ米インディカ米以外に第3のお米としてジャバニカ米と呼ばれる希少品種も存在します。ジャワ島などごく一部で栽培されており、幅が広くて大粒、あっさりとして粘りのある味が特徴とのこと。手に入れるのは難しそうですが、どんな味なのか気になりますね。

インディカ米を、おいしく食べるには?

見た目も味わいも違うジャポニカ米とインディカ米。2つは炊き方もまったく違います。これは、主にアミロースというお米に含まれるでん粉の量がジャポニカ米は少なく、インディカ米は多く含まれているからです。
ジャポニカ米は、お米を研いで、お米の1.2倍の水を加えてまずは強火で炊きあげていく「炊き干し法」と呼ばれる炊き方が基本。炊かれてお米から溶け出したでん粉が保水膜となって表面にまとわりつくことで、もっちりした粘りや甘みのある味わいになります。
一方、インディカ米は、パスタをゆでるときのように、お米の3倍以上のたっぷりの沸騰したお湯にお米を入れて数分間ゆでる「湯取り法」と呼ばれる炊き方をします。お好みや地域より、お米を研いだり最後に少し蒸らす場合もあるようですが、基本は「お湯でぐつぐつゆでる」こと。粘りをまとわらせずにパラパラとさせ、しゃっきりとした食感に仕上げます。

アジアンフードの調理を自宅で挑戦したいと思う人が増えるにつれ、「インディカ米を上手に炊くのは思ってたより難しい」という声も増えてきました。世界中で作られているインディカ米は種類もそれだけ多種多様で、ジャポニカ米以上に、そのお米にあわせた炊き方を自分で工夫する必要があり、そこもまた難しさのひとつかもしれません。

そこで、インディカ米の炊飯に挑戦している方のブログやネット情報を参考にして、「お家の炊飯器を使った、インディカ米のおいしい炊き方」をまとめてみましたので、参考にしてみてください。

《お家の炊飯器で、おいしくインディカ米を炊くコツ》

お米を研いだり、水につけたりしない

研ぎとつけ置きは不要とする人が圧倒的でした。少数ですがさっと研いで汚れを落としているケースもありました。購入したお米によっては、ほこりなど汚れがあったりする場合もあるようですので、その場合はさっと水で流したほうがいいでしょう。

「予約炊き」をしない

「予約炊き」をすると、浸水しているのと同じことになってしまうので、NGです。

「早炊きモード」で炊く

炊飯器でインディカ米を炊いている人全員が、おすすめするのがこの技でした。ご飯をふっくらじっくり炊くのではなく、短時間で少し固めに炊く方がおいしくなるようです。「早炊きモード」は、炊飯器によっては名称が違うものや装備されていないものもありますのでご注意ください。

「無洗米設定」で炊く

インディカ米は基本的にとがずに炊くお米ですので、こちらも炊飯器に無洗米で炊く設定があるようなら早炊き&無洗米のモードで炊くようにしましょう。

保温をしない

「保温モード」を切っておくだけでなく、炊きあがった後、炊飯器に長くおくことも避けましょう。蒸気がこもるため、べたっとした仕上がりになります。

炊いた後は、炊飯器をしっかりと洗う

インディカ米はジャポニカ米と比べて香りがたつものが多く、においが残りがちです。内釜だけでなく、蒸気口や内ぶたもしっかりと洗いましょう。アジアンフードはご飯と一緒に調味料や具材を入れるメニューも多いため、この場合はさらに香りが強くなります。アジアンフードが大好きな方のなかには、最初から炊飯器をわけて使っている人もいました。

「インディカ米用炊飯モード」のある炊飯器も

今回調べて分かりましたが、日本メーカーから炊飯器に専用モードが用意された機種も発売されていました。国内のアジアンフード人気は本物だということでしょう。

【まとめ】
ジャポニカ米とインディカ米とでは味わいも炊き方も大きく異なります。そんなインディカ米も、ひと工夫すればお家の炊飯器でもおいしく炊けることが分かりました。あなたも一度、ぜひ試してみてはいかがでしょうか。

                                 (文/N)

【参考サイト】

ご飯彩々
https://www.gohansaisai.com/fun/entry/detail.html?i=613

NHK for School
https://www2.nhk.or.jp/school/movie/clip.cgi?das_id=D0005402411_00000

NHK まる得マガジン
https://www.nhk.or.jp/lifestyle/recipe/detail/600358.html

農林水産省 お米の種類はどんなものがあるのですか
https://www.maff.go.jp/j/heya/kodomo_sodan/0012/01.html

日本調理科学学会誌 2008「インディカ米とジャパニカ米の調理特性の比較」
https://www.jstage.jst.go.jp/article/cookeryscience1995/41/5/41_283/_pdf

DELISH KITCHEN
https://delishkitchen.tv/articles/368

楽天レシピ
https://recipe.rakuten.co.jp/recipe/1770020820/

クックパッド
https://cookpad.com/recipe/2379130
https://cookpad.com/recipe/6326148
Quora
https://jp.quora.com/nippon-no-suihan-utsuwa-de-indika-kome-ha-sui-ke-masu-ka

momoko’s Thai Cook

タイ米をおうちで炊いて食べよう

AMAZONレビュー  においが炊飯器に残る においが気になる
https://www.amazon.co.jp/hz/reviewsrender/lighthouse/B004UJI8VU?filterByKeyword=%E7%82%8A%E3%81%8F&pageNumber=1

三菱電機
https://www.mitsubishielectric.co.jp/home/suihanki/okomejuku/rice/indica.html

世界食卓史
http://www.ysn21.jp/~eipos/data/2006/WB18_003/asa/a_01_okome.htm

農林水産省 中国四国農政局 お米はどこからきたの
https://www.maff.go.jp/chushi/nousei/hiroshima/syokuiku/kyousitu/dokokara.html