お米のあれこれランキング!

ごはん好きならちょっと知っておきたい、お米に関する雑学データのあれこれ。特においしい銘柄って?お米の格付けの出どころは?どこでみんな買ってる?次のお米選びの参考に!


この記事は約7分で読み終わります。

全国でよく作られているお米ランキング

日本の田んぼ、なんと3分の1はコシヒカリ!

うるち米の品種別作付割合上位ベスト10(令和2年産)

(単位=%)
公益社団法人米穀安定供給確保支援機構調べ

全国で一番作付が多いお米の品種は何か、わかりますか?それは日本人なら誰でも知るブランド米「コシヒカリ」(33.7%:令和2年産、以下同)。やっぱりね、と思った方も多いでしょう。ちょっとお高いけどおいしいコシヒカリは消費者も生産者もみんな大好き。日本の水田の約3分の1で作付され、長年不動の1位です。米の生産量トップの新潟県をはじめ全国43府県で作られていて、まさに日本のお米の王様です。

2位は東北で作付が多い「ひとめぼれ」(9.1%)、3位は九州の気候風土に合う「ヒノヒカリ」(8.3%)、4位はおなじみの「あきたこまち」(6.8%)、5位は北海道の「ななつぼし」(3.4%)。令和からこの1〜5位の順位は変動していません。

本ランキング10品種で作付の70%以上となりますが、トップ3品種だけでもなんと50%以上!日本の水田の半分はこの3つのいずれかという人気ぶりです。

やはり、人気はこしひかりです。

「〇〇ヒカリ」という銘柄が強いわけ

食味に優れたコシヒカリはさかんに品種育成の交配に使われ、今ある品種の大半は多少ともコシヒカリの血を受け継いでいます。本ランキング内にあるヒノヒカリ、キヌヒカリといった「ヒカリ系ネーム」は特にコシヒカリの遺伝子が濃い品種です。味や性質がコシヒカリっぽい=人気がある=高い作付け、なのでしょう。ちなみに平成期にはコシヒカリ、ヒノヒカリ、キヌヒカリの「3ヒカリ」が日本の水田の約半分を占めたことも。他の「〇〇ヒカリ」には、能登ひかり、ちゅらひかり、まいひかり、なすひかり、イクヒカリなどがあります。

迷わず選べる!「特A」の中の「特A」ランキング

平成〜令和の「お米の食味ランキング」データから割り出し!

「最高においしいお米って、結局どうやって選んだらいいの?「特Aランク」も、ブランドも、産地もいっぱいありすぎて…」そんな方のために。

令和3年に50回を迎えた歴史と信頼の「お米の食味ランキング」で、最高位の「特A」ランクに選定されたお米を、その回数でさらにランク付けしたベスト10です。

品種は圧倒的に「コシヒカリ」で50%を占めていますが、「ひとめぼれ」と比較的新しい品種の「はえぬき」も健闘しています。産地の優位性は、やはり昔からの米どころ・東北が強いですね。

平成元年〜令和2年調べ【特Aランク選定回数ベスト10】

第1位新潟県魚沼産コシヒカリ(特A選定31回)

第2位新潟県佐渡産コシヒカリ(特A選定26回)

第3位福島県会津産コシヒカリ(特A選定25回)

第4位岩手県県南産ひとめぼれ(特A選定23回)

第5位新潟県中越産コシヒカリ(特A選定20回)

第6位宮城県ひとめぼれ(特A選定19回)

第7位福島県中通産コシヒカリ(特A選定17回)

第8位宮城県県中産ひとめぼれ(特A選定16回)

秋田県県南産あきたこまち(特A選定16回)

第9位山形県内陸産はえぬき(特A選定15回)

新潟県上越産コシヒカリ(特A選定15回)

第10位山形県庄内産はえぬき(特A選定14回)

日本穀物検定協会データより

お米のおいしさは5ランク特A→A’→A→B→B’

お米の袋に表記があるのを、見たことがあるかもしれません。

対象のお米を基準米(コシヒカリのブレンド)と比較し、基準米より特に良好なものが「特A」、良好なものが「A」、おおむね基準米同等のものが「A’」、基準米よりやや劣るものは「B」、劣るものは「B’」とされています。

標準的価格のお米では「A’」以上が一般的なようです。

ランクは毎年変わる!リピート購入時はチェック

ある年「特A」だったお米が、ずっとそうとは限りません。作柄によって食味ランクは毎年アップダウンがあります。ただ近年は農家の努力が品質キープに表れていて、例えば令和2年産では、3年連続「特A」ランクの銘柄が23も生まれています。

日本のお米の銘柄は令和3年現在、893種類。この全てが審査されるのではなく、市場でメジャーな「必須銘柄」と、各生産地が推す新品種などの「選択銘柄」が対象です。令和2年産では154品種がエントリーしました。

ランク付けしているのはだれ?

毎年、全国規模の産地品種のお米をテイスティングして「食味ランキング」を発表しているのは、日本穀物検定協会。国の農産物検査法に基づく検査機関です。

ランキングの元になる同協会の「食味試験」は、機器分析や試薬検査ではなく、お米のソムリエのようなプロ検査員が、ホカホカのごはんを舌で実際に味わって判定しています。

どうやって味を評価するの?

複数産地コシヒカリのブレンド米を基準米として、対象米を実食比較評価する、きわめてオーガニックな「相対法」です。

協会で選抜訓練された専門評価員「食味評価エキスパートパネル」20名が、「外観・香り・味・粘り・硬さ・総合評価」の6項目について、1日に3銘柄の白飯を審査します。食味の順番による評価の偏りをなくすために、エキスパートパネルは6グループに分かれ、全グループで試食の順序を変えます。ずらりと並ぶ協会標準のサンプル炊飯器は、パナソニックのIHです。

食味試験実施は11月から翌年2月にかけて。意外に長期です。人間が一度にわずかな味の違いを感知できるのには限界がある上、審査対象米は150種以上。長くかかるのも当然ですね。

お米は、やっぱり東北。こちら、山形県、庄内平野。

たくさんお米がとれる道府県ランキング。少ない方の県も!

農林水産省が公開する「令和2年産お米の収穫量」データからの、お米の生産量・道府県ランキング。ベスト10は以下の通りです。

全て東日本の県で、納得の米どころばかりです。北海道が「品種改良によって寒さに強いお米が誕生した」「土壌改良の技術が確立した」といった理由で、近年、急速に収穫を伸ばしています。西日本はランクインせず、14位の兵庫県が最高位です。

1位新潟県

2位北海道

3位秋田県

4位山形県

5位宮城県

6位福島県

7位茨城県

8位栃木県

9位千葉県

10位青森県

一方で、あまり知られることがない「収穫量が少ない県」。ベスト3でご紹介します。

1位東京都

2位沖縄県

3位神奈川県

やはり、田んぼイメージが少ない顔ぶれです。沖縄県は本土復帰後、減反政策でほとんど稲作が絶えましたが、気候に適した品種が近年開発され、主に離島でお米が作られています。

お米はどこで?みんなの購入・入手経路ランキング

精米購入・入手経路

1位スーパー48.8%

2位無償で入手(家族・知人などから)18.6%

3位ネットショップ8.4%

4位生協6.9%

5位ドラッグストア6.1%

6位生産者から直接購入5.0%

7位ディスカウントストア4.4%

8位お米屋さん2.2%

9位デパート1.9%

10位産地直売所1.3%

公益社団法人米穀安定供給確保支援機構調べ

「米の消費動向調査結果令和3年9月分」より

全国の消費世帯モニターを対象に毎月行われている「米の消費動向調査」。ここからわかるのは、日本のお米の入手方法として「タダでもらう」ルートが大きいこと。都市部ではスーパーやネット販売の利用が大半ですが、生産者が身近な地方ではお米のおすそ分けは日常。この傾向は新米時期に高く、農家の在庫が減るにつれ購入が増えます。またディスカウントストアやドラッグストアがお米の販売ルートになり、生活用品と共にお米を買う人が増えています。さてあなたは次回どこで、どうやってお米を手に入れますか?

【まとめ】

とにかく大抵のランキングでコシヒカリ強し!有名な魚沼産の他にも、すごいレベルのおいしいコシヒカリが日本中くまなく育っていることが驚きです。都市部に住んでいる筆者ですが、いろんな米どころに移住して、地元コシヒカリのおすそ分けにあずかってみたいです!

文/いずたに ねね