【特別寄稿】 「目からウロコ 『コメ』って こんなに誤解されていたんだ!」――はじめに

お米のメディア「こめペディア」は「石抜機」「無洗米」等、お米の歴史を書き換える大発明をいくつも成し遂げた雜賀慶二さんに敬意を込め、サイト内に雜賀さんの文章が読めるコーナーを設けました。雜賀氏の肉声に触れていただきたく、編集者が改編することなく掲載しております。この内容は、お米の国・日本に生まれ、生きるものとして大変興味深く、かつ新しい発見に富むものでもあります。ぜひ、ご覧下さい。


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はじめに――重い腰を上げて本書を書こう

『これじゃ あんまりじゃないか!』これが70年近い、人生の大半をコメに関わってきた私の素朴な感情である。

それは代々の日本人を育んできたコメの身になってみると、世の中の人々から感謝されることもなく、それも人間の手によって本来のコメではないものに歪められた上で、『コメを食べると肥満になる』とか、『コメを食べると糖尿病になる』とか、『断糖食が最善の食事』とか、まるでコメは避けるべき食べ物あるかに、それも識者によって喧伝されている状況をみると、これでは余りにもコメがお気の毒との想いから、何とか人々の誤解を解き、本当のコメを人々に知ってもらい、そして本当のコメの恩恵に浴し、健康を取り戻せた人々はコメに対し感謝の気持ちを抱くことが必定だと思われたし、そうなるとコメにとっても喜んで貰えるだろうとの想いから、僅かな研究時間を削がれるのが嫌なのと、その上とっても筆不精な私が、ようやく重い腰を上げて本書を書こうと蹶起したのである。

和歌山市にある東洋ライス

そして、現在、多くの方々が病魔や要介護で苦しみ、また医療費が国の税収を呑み込んでしまうほどの巨額に膨張し、財政を圧迫している状況から、正に国難と言っても過言ではない状態に陥っている今こそ、世の多くの人達に、『コメによって病人や医療費が半減することは決して夢ではないこと』をご理解頂けるよう説明することが、元々病弱であった私が、コメのお陰で86歳になった今でも社会を支える側に居てられ、それも元気溌剌にて研究に励み、新しい発見や発明をしたりして、社会の第一線で、楽しく仕事をこなしている私だからできることではないかと考えたことと、コメに関する学者が多い中で、私のようにコメの加工と人の健康を主題に研究している学者が極めて少ないことも考慮すると、世の人々より誤解されっ放しのコメについて、『本当のコメ(ご飯)』を世の多くの人々に広く知って頂くようにすることこそが、私の責務ではないかと気付いたからである。

そこで、コメが世の人々より誤解されていることを、順不同ながら、ひとつひとつ解いていくこととする。

 

「目からウロコ 『コメ』って こんなに誤解されていたんだ!」――その1に続きます

 

<文>

東洋ライス株式会社 代表取締役社長

東京農業大学客員教授

雜賀慶二さん