白米のコメ粒は、半透明の白さであるが、その中に、もちゴメのような真っ白の米粒が多かれ少なかれ混入しているのが普通である。
その白い米粒も米粒には違いがないが、生育中の日当たりとか、気象条件などで米粒の中の澱粉複粒間に僅かな隙間が出来、そのため乱反射するから、あのような白さになってるだけで、別段下級になる訳ではないし、また高温障害により、いわゆる『しらった』(「しらた」とも。未成熟米のこと)が多くなることもあるが、それほど品質が落ちる訳ではない。
成熟期の稲(写真はイメージです)
一方、品質が落ちるので、下級と位置付けられるコメは、出穂が遅れたりした未熟粒による白い米粒であって、その場合は実り具合も悪く、薄べったくて小さい米粒になっているから、収穫時に通す選別機の網目から下に漏れ落ちることから、通称『(あみした)』と言われる低品位米である。
しかしその様な低品位米は、飯米用以外の用途とか、飼料向けになるのが普通だが、もし人間の飯米用に混ぜられて売られていたとすると、余程の廉価米と言うしかない。
「目からウロコ『コメ』ってこんなに誤解されていたんだ!」――その12に続きます
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東洋ライス株式会社 代表取締役社長
東京農業大学客員教授
雜賀慶二さん