【特別寄稿】 その4―発芽玄米についての誤解



この記事は約2分で読み終わります。

発芽玄米とは、『発芽玄米』との名称さえ付いていれば発芽玄米だと言うものでは無い。玄米をある程度発芽させたコメを指すのである。ここで『発芽玄米』について説明をすると、まず製法は、蝋質の表皮が付いたままの玄米を水に浸けることで発芽させるが、それには水温にもよるが、約100時間経つと、玄米粒の頂点近くに位置する胚芽のところから、白い『芽』が2~3ミリ出て来る。その時に水から取り出し(芽を長くするほどギャバなどの栄養成分は増えるがコメの味が落ちるし、それよりも短いと発芽の意味がない)、それを直ちに炊飯すればよいのだが、それが出来ない場合は、高水分のため、そのままでは腐敗するから、冷凍または乾燥させたり、或いはレトルト加工をする必要がある。

(写真はイメージです)

 

いずれにしろ玄米が発芽を始めた時には、玄米の糠層に含まれる酵素による化学変化の作用により、あらたに新しい栄養成分が多く生み出されたり、ギャバなども増加したりするから、発芽玄米は栄養的には素晴らしい食品という事になる。しかし米粒の表面には水をはじく蝋質の表皮が付いたままのため、いくらかひび割れしているとしても、炊飯してもそのご飯は白米のご飯のように膨張して柔らかくはなりにくいので、どれだけ消化吸収が出来るかが問題だろう。だからと言って表皮を剥いで浸漬すると、腐敗が進むので困難である。

いずれにしろ発芽玄米の絶対的な要件は、少なくとも目測出来るほどに、胚芽から出ている『芽』が1~3ミリあることであり、それが『発芽玄米』なのであり、それが見えないものは発芽玄米とは言えないのである。

 

「目からウロコ 『コメ』って こんなに誤解されていたんだ!」――その5に続きます

<文>

東洋ライス株式会社 代表取締役社長

東京農業大学客員教授

雜賀慶二さん