【特別寄稿】その6―コメに虫が入っているのは、とんでも無い事だとの誤解



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コメの中に虫が入っていて、驚いたり購入先にクレームを付けたりすることがあるようだ。と言う事は、人々はコメの中に虫が無いのが当然だとの思いがあるからだろう。

しかし実際に実験をしてみて欲しいが、家屋の中でコメ虫とは縁のない場所に、少量のコメでもよいから、ちり紙にでも包んで放置してみることだ。そうして忘れた頃に見ると、必ず虫が湧いている筈である。

それはどう言うことかと言うと、コメを餌としている『コメ虫』は特別な感覚があって、どんなところであろうとも、コメの在り処を探り当て、飢えずに生きられる事ができる能力が備えられているのである。従ってコメにはコメ虫が湧くのは至極当然のことなのである。

米の保存容器(写真はイメージです)

従って昔は、コメを買ったコメ屋さんに、虫が入っているとの苦情を訴えた客に対し、当のコメ屋の主人は、悠々騒がず『何だ!これはコメ虫ではないか!コメに虫がわくのは、このコメは殺虫剤をかけたものではないと言う証ではないか!』と言い放ち、客のほうは『そうだったのですか。どうもすみませんでした。』と引き下がる風景が見られたものである。

でも今のコメ屋さんは、完全にこちらの落度であるかに平謝りをするから、それが当たり前としてまかり通っているだけである。

「目からウロコ『コメ』ってこんなに誤解されていたんだ!」――その7に続きます

 

<文>

東洋ライス株式会社 代表取締役社長

東京農業大学客員教授

雜賀慶二さん