【特別寄稿】その7―コメにカビが生えるとは、とんでも無い事だとの誤解



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コメにカビが生えていたとの事件?も時々起きる事である。

それは夏季に多いのだが、カビと言うものは、3つの条件が重なると必然的に発生するものであり、その内の1つでも欠けると、カビが生えないのである。

その3つの条件とは、① 栄養分があること、② 14度~50度の温度(最もカビが生えやすいのは30度前後)があること、③ コメの水分が15%以上あること、であるが、コメには①の栄養分があり、②も通常の家庭内は、その温度帯であるから、問題は③のコメの水分が15%未満であればカビは生えないが、15%を超えるとカビが必ず生えるものである。

保存容器に入れたごはん(写真はイメージです)

そして注目すべきは、コメは周囲の湿度によって、吸湿または放湿をするので、水分が上がることも下がることもある。

そして夏季には室内の空気の湿度が高まり、その結果コメが吸湿し、水分が高まる結果カビが生えることになるのである。

従ってコメにカビが生えることは極めて起きやすいことであり、それを避けようとするには、上記の①②③のうちの1つを無くすことである。

それが出来ないときは、夏季にはほぼ通気性の無い容器に入れ、冷蔵庫に入れることだ。通気性のある袋に入れていたのでは、冷蔵庫内の低湿度によって、コメの水分が奪われ、食味が落ちるからである。

「目からウロコ『コメ』ってこんなに誤解されていたんだ!」――その8に続きます

 

<文>

東洋ライス株式会社 代表取締役社長

東京農業大学客員教授

雜賀慶二さん